ひきこもり

　　　　　　　　　　　　　　2004年元旦　初日の出　ミシガン湖
　　
夫が運転免許を取った後、一週間くらい隣にのって一緒に大学へ行った。
高速運転もだいぶ慣れたようだったので、夫に車を渡し私は家でのんびりする
ことにした。

これで長時間の運転から開放されたとほっとしていたのも束の間、しばらくして私はひきこもりになった。

夫は新しい環境でのびのびと研究し、いろんなものと出会い人とのかかわりを広げて、生き生きとしていた。その姿を見てやっぱり日本を出てきて良かったな、と思ったのだが、私の方はどんどん落ち込んでいった。

夫に車を明け渡してからは、ずっと家でひとり、外はマイナスの気温。車がないとどこにも出られない。友達はテレビだけだった。
夫が帰ってくるまで一言も誰とも話さず、いつもテレビに向かって話していた。

夫の背中を押したのは私だったのに、生き生きとしている夫にジェラシーを感じ、どんどんひきこもりになっていく自分。とっても惨めで悲しかった。

何度も『海外で心が壊れた人がいくサイト』へお邪魔して、自分と同じ境遇の人のコメントを見ては、自分をなぐさめていた。

日本の職場の手続きの関係で2004年3月31日には一度日本に戻らなくてはいけなかったので、その日が待ち遠しくてたまらなかった。百均で買うものリストを作り、日本から持ってきたいものを片っ端からサイトで探してどんどんリストにしていった。

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ほっとした時が1番危ない時ってよく聞くけれど、こんなにも簡単に自分が引きこもりになるなんて想像できなかったので、あの時は参りました。